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2017/4/23-7/17

金沢アートグミ8周年記念個展 湯川洋康・中安恵一 利益の石

8周年記念個展

湯川洋康・中安恵一 利益の石

 

2017.4.23 日 ~ 7.17 月・祝
金沢アートグミ
10時~18時 水曜定休 入場無料

主催 認定特定非営利活動法人金沢アートグミ
協力 株式会社北國銀行、石川県立自然史資料館、金沢ふるさと偉人館、金沢大学理工学域自然システム学類 奥野研究室/濵田研究室、鉱物標本石の華、加藤良子、小林雅子、東穂高、宮越文美


金沢アートグミ8周年記念として、湯川洋康・中安恵一の個展を開催致します。
大阪を拠点とする湯川洋康・中安恵一は細やかなリサーチに基づき、その土地の習俗や歴史から今を生きる私たちまでの〈関係性〉を彫刻化する作家です。本展は金沢ゆかりの偉人 飯盛里安氏(1885- 1982)と鳥取県西部の民間信仰 サエノタワの石を取り上げ、〈石と人の距離〉について思索を巡らせます。

———飯盛里安の鉱石。

「日本の放射化学の父といわれる化学者・飯盛里安。
鉱石をめぐる、彼の人生を追いかける。
純粋な放射性鉱物との対峙していた若き日。
理化学研究所に入所し、放射体化学研究のために海外留学していた頃。
ときに、戦争を前に、軍部の命による鉱石の探索に従事した時代。
能登の海岸で長手石という鉱物を探し、見つけ、無邪気に喜んだこと。
研究者引退後、宝石の「美しさ」を追い求めて人造宝石を作り続けた晩年。

———サエノタワの石

鳥取県西部の民間信仰、サエノタワ。
日本海に面した淀江には、古くから良縁のご利益を得るために
若者が望む相手の顔に似た小石を海辺から拾い、山に奉賽していたと伝えられる場所がある。
サエ(境)のタワ(峠)にあるその場所はサエノタワと言い、つまり村境の峠である。
近世の往来道であったそのタワには、幾万におよぶ石が今も残され、
一面に覆われた枯葉を取り除くと、丸い石群が積み重なっている。

湯川洋康・中安恵一の意識は、対象と対象の〈距離化〉にあります。
ある対象と対象の間にある距離が、様々な事象・媒介によって遠ざかったり近づいたりする作用、その伸縮を、哲学者ゲオルク・ジンメルの言葉を借り、2人は〈距離化〉と呼んでいます。

会場では日本海にあった2つの〈石と人の距離〉を基点に、飯盛里安氏の人造宝石やサエノタワの石から、それらをモチーフにした新作を展示します。人と、対象の媒介である二つの石を、彼らが追想し、再び〈距離化〉を図ること。本展の試みを通じて、新たな〈利益の距離〉が浮き彫りになるとともに、この世界は〈距離化〉に満ちていることに気付かされるでしょう。

 

《追想2 ♯722ピンクストーン》

関連イベント

・オープニングトーク〈湯川洋康・中安恵一×北出智恵子〉

4.22土 19:00~ 20:00
金沢21世紀美術館キュレーター北出智恵子氏を迎え、湯川洋康・中安恵一とトークを行います。
予約不要・参加費:500円
ケータリング:金沢アートグミ料理部

・〈サエノタワを聞く〉

4.23日 14:00~ 15:00
鳥取県の民間信仰サエノタワについて、中安恵一に話を伺います。
予約不要・参加無料
聞き手:上田陽子(金沢アートグミ)

・〈長手石を探す〉

5.21 日 11:00 ~ 14:30
石川県羽咋市長手島に長手石を探すツアー。飯盛里安氏がそうしたように、お弁当を頂きつつ放射線測定器を持ち、北村栄一氏の案内の下周辺を散策します。
要予約・参加費:1500円
案内:北村栄一(地質・古生物学専門)

・〈飯盛里安を聞く〉

7.17 月・祝 14:00 ~ 15:00
飯盛里安氏の研究室でともに人造宝石を制作していた、柴田満氏をお招きして話を伺います。
予約不要・参加無料
聞き手:湯川洋康

《追想1 鳥取淀江の海岸》

湯川洋康・中安恵一 略歴

ともに1981年度生まれ、2012年結成。大阪を拠点に活動。近年では、2016年に個展『豊饒史のための考察2016』(京都 GalleryPARC)、2015年『羽根を休めるハビトゥス』(中之条ビエンナーレ2015)など。2015年、第18回岡本太郎現代芸術賞入選。
http://yukawanakayasu.net/


「港は船に選ばれて 船は港に寄せられる -便りは届く-」, Kapo gallery, 金沢,2014


「羽根を休めるハビトゥス」, 中之条ビエンナーレ2015, 群馬,2015


第18回岡本太郎現代芸術賞 入選, 川崎市岡本太郎美術館, 神奈川,2015


「漂い、刻まれ、漂う偶然」, Galeria大正蔵, 淀江(鳥取藝住祭2015),2015


「流暢な習慣」, 江之子島文化芸術創造センター, 大阪,2016


「豊饒史のための考察2016」, GalleryPARC, 京都,2016