「考える」場としての大学と、「考える」行為としてのアートが出会うとき、それぞれにおける「考える」ということのちがい・あるいは重なりが見えてきます。
本展覧会は、アーティストであり美術教育研究者でもある櫻井あすみ・三好風太が、2023 年度に金沢星稜大学で計4回行ったアートの特別授業の記録や参加学生による成果物を、インスタレーションとして再構成し展示するものです。
この特別授業は、金沢星稜大学における共同研究「Arts-Based Research を共通基盤とし、総合大学における科目にアート作品の制作を取り入れるための学際的研究一芸術学・教育学・哲学の観点から」の一環として実施されました。
この共同研究では、Arts-Based Research(芸術に基づく研究・以下 ABR)
というアート制作の方法論に依拠しつつ、金沢星稜大学講師で哲学者の寺嶋雅彦・同じく同大講師で教育学者の門前斐紀とアーティストの櫻井・三好が、多角的な視座からアート制作を高等教育における個別の科目に導入するための授業モデルの形成を試みています。
ABRとは、アート制作を従来的な自然科学/人文社会科学研究とは異なる知的な探究活動として捉える理論的枠組みで、近年、欧米を中心に注目されています。
学生・研究者・アーティストそれぞれにおける「考える」ことがどのように混ざり合い、影響を与え合い、そして広がっていったのか。そのことを展示としてたどり直すことで、あらためてアートと「考える」ことの関係を問い直してみたいと思います。
【ワークショップ】
「色とともに出会う世界」
講師:櫻井あすみ・三好風太
小さな紙のピースを彩色して会場に配置することで、