金沢アートグミは11月27日よりアーティスト・宇留野圭による2021年度企画公募展【ESCAPE】を開催いたします。
2016年に認定NPO法人となった金沢アートグミは、頂いた寄付金を活用した企画公募事業をスタートしました。
第6回となる本年は、彫刻アーティストの宇留野圭による個展【ESCAPE】が審査にて選ばれました。
鋳造工場勤務というバックボーンを持つ宇留野の複雑な構造の作品は、一見工業的ながら、どこか人間の息遣いや生活の生々しさを感じさせます。
今回は金沢に滞在し制作されたものを含む、新作を中心とした展覧会となります。
本展のタイトル「ESCAPE」とは、逃げる、逃避、免れるなどといった言葉の意味と、キーボード上のEscキーのいいえ、終了、キャンセル、中断といったコマンドの意味合いが含まれています。これらの何かから逃れたり、拒否したり、背を向ける態度は私の欲望の根底に位置しており、常に制作テーマの中心にあります。 作品内で扱われるコンビニエンスストアや逃げ出した犬、密室といったモチーフは、私の身近な体験や原風景からの着想でありながら、そうした欲望の表象でもあります。 ある環境や状況から逃げ出すという一見否定的な行為は、様々な外敵から身を守るために生物に備わった生存本能のように、無意識的に引き起こされる根源的な衝動なのかもしれません。
宇留野圭
宇留野圭
1993年岐阜県生まれ。2021年名古屋芸術大学卒業。機械部品の鋳造メーカーに勤めた後に美術を始める。機械の構造や世界観から着想を得て、立体作品を中心に様々なメディアの作品を制作している。主な展示に2019年 個展「the pilot」(YEBISU ART LABO/愛知)、2021年「DELTA」(KAYOKOYUKI、駒込倉庫/東京)
WEBサイト https://www.keiuruno.com/